お役立ちコラム
5.202023
お墓を建てる意味や目的とは?家族から「お墓はいらない」「納骨もしなくていい」と言われた時どうすればいいの?ーこれからの「お墓」のあり方ー
ここ数年、さまざまな理由からお墓はいらないという考えの方々が増えています。近年の社会では、多様化している生活環境下の中、これまで当たり前のようにあったお墓のあり方が変わったのが要因と言えます。
そのため、親から「お墓はいらない」「お墓に納骨しなくていい」と言われるご家庭も増えています。特に、「お墓」の話題が上がるのは、親世代が年齢的に後々のことを考えた結果で、何気ない会話の中で「お墓」について伝えることが多かったりします。しかし、お墓が不要と言われた場合、お骨などはどうすればいいのか悩んでしまいます。
■「お墓はいらない」と思う主な要因とは?
家族が「お墓はいらない」と言う理由にはいろんな思いがあるからです。主に、管理費や手間などが挙げられ、後々負担になるならとお墓を建てないという選択肢をする人が増えているのは確かです。お墓があることで生じる問題点は、以下の3点と言えます。
■「お墓を継ぐ」と言う考え方が各家庭で薄れている
少子高齢化と言われ続け数年、自分の生活だけで手一杯な若者世代の非婚化も相まって、お墓を継ぐ人がいないご家庭が増え、また先祖代々からのお墓があるご家庭はその維持が大きな負担となってきています。
世界情勢が変わる中日本もその波にのまれ、日々社会の状況が刻々と変化し続けています。そのため夫婦のみの世帯や片親世帯など、核家族化が大都市部を中心にどんどん進行していっています。その結果、子世代が親世代を支えるのに大きな負担増となっているのは確かで、親はできるかぎり自分の死後、家族に余計な負担を負わせたくないと「お墓はいらない」という結論を出すのです。
子からすれば、ご先祖様や故人、そして親に対し敬意がないわけではないにしろ、石塔のお墓が現在から未来にかけて生活の中で負担となって残るのならばと、「お墓はなくていい」という結論に至るのです。その結果、石塔製のお墓離れが増えている要因と言えます。
■これまで通り、お墓の維持ができない
お墓はいらない問題の1つに、定期的にお墓参りへ行けないと言う点があります。お墓参りへ行けないとなると、お墓は荒れ放題になりお墓で眠るご先祖様や故人へ申し訳ない気持ちに苛まれます。
たとえ、お墓参り代行サービスを利用しても、何度かに1度はやはり自分自身で赴き手を合わせないとご先祖様や故人に顔向けできないと気に病んでしまう人も少なからずいるのも事実です。
また、墓守を担う人が仕事の都合上転勤などで、次にどの地に居住を構えるかも定まらない人も多く、たとえ親世代が生前住まう地域にお墓を建てたとしても、そのお墓と現在の居住地が遠ければ数年に1度お墓参りへ行けるかどうかといった事態にもなりかねません。
しかしお墓自体も改葬という引越しはできますが、現在のお墓を解体し、新しい墓地が以前の墓地より小さければ、そこに納まるよう石材を加工し設置するので、ある程度の費用の捻出は必須です。
■お墓を管理するための費用が家計の負担になってくる
墓地はいわば集合住宅のようなものです。各世帯が共用で使用する場所には年間いくらかの費用を納めるものです。墓地も同じように、水汲み場や掃除用具、休憩所などといったみんなで使用する共益部分の管理や清掃のため管理料を支払います。年間数千円から高くて10万円ほどする墓地もあり、徐々に家計を圧迫していきます。
■そもそも納骨も必要ないと言われたら?
お墓は不要でも、家族としてはきちんと供養したいからこそ、納骨堂や永久供養墓(合葬墓)などの選択肢を模索しますが、そもそも納骨自体不要と言われてしまったら、どうすればいいのでしょうか。
そもそも納骨しなかった場合、故人が成仏することができないのでは?と不安になってしまう方も多いと思われます。しかし日本の仏教では、納骨しないからといって成仏できないという考え方はないので、心配は無用です。そのため納骨せずに故人をきちんと供養する方法は、いくつかあります。
|樹木葬
墓石による供養のほかに、自然に還る樹木葬という選択肢も増えています。樹木葬では、樹木を墓標とし、里山型・公園型・ガーデニング型などが選べます。里山型は、その名の通り手入れがされている山にある木の下に埋葬するものです。多くは、都市部から離れた山になるので、交通のことを考えると不便さを感じる方もいます。
公園型は、墓地がまるで公園のように造られたお墓です。公園に近しいので花壇には色とりどりの花が植えられることが多く、とても華やかな雰囲気を持ち合わせています。またガーデニング型は、公園型の規模の小さめといった感じです。駅近など利便性も考えられており、人気が高まっています。
|散骨
散骨は、遺骨をパウダー状にし海や山といった自然へ撒いて供養する方法です。思い入れのある海や山といった場所が頭に思い浮かびますが、実はどこでも好きな場所へ自由に散骨できるというものではないので、必ず散骨専門業者を利用することがお勧めです。また、散骨してしまうと固定であるお墓とは異なり、取り戻すことができなくなるのと、遺骨は必ずパウダー状にしなければならないなど、注意点もいくつかあります。
|手元供養
お墓は持たなくとも、きちんとした供養をしたい、という人たちに人気が高まっているのが、手元供養です。なんといっても故人をより身近に感じられ、毎日手を合わせることができるのが魅力です。また法律上、手元で遺骨を管理することは違法ではありません。しかし遺骨を勝手に捨てたり、自宅の庭に埋葬することは法律違反となるので気をつけましょう。
■手元供養はどうすればいいの?
手元供養では、シンプルな骨壷に入れたり、小さい仏壇やそれこそミニサイズのお墓を置いたり、プレートなどの置物に加工したり、アクセサリーとして身につけられるものもあります。それこそ宗教的な大きい仏壇は必要なく、インテリアにもマッチしたデザイン性のあるミニ仏壇なら好きなお部屋に設置することができます。
ペンダントやブレスレットいったアクセサリーに加工すれば、毎日身につけられるので、いつでも故人を一緒にいられるという気持ちになれます。さらに金銭的に余裕があれば、宝石に加工することもできます。
■まとめ
家族の間でも、供養方法についての考えが必ずしも同じとは限りません。お墓や納骨がいらないと言われた場合、一番は、家族でしっかりと「お墓」や「納骨」のあり方について、きちんと場を設けて話し合いましょう。家族で答えが出なかった場合でも、手元供養、樹木葬など「お墓」にまつわることであれば、身近な「石材店」が相談に乗ってくれます。
まずは気軽にオンラインなどから問い合わせてみてはいかがでしょうか?オンラインでの相談は、こちら