お役立ちコラム
1.202024
【お墓の引っ越し(改葬)】山にあるお墓のもしもの時が心配!今の住まいの近くに移す手順と費用は?
2024年もスタートし早1月も中旬に。地域によっては積雪や氷点下の記録を更新したりと寒さは日本全体を包み込んでいます。さらに新年早々に襲った震災といついかなる時でも、地震国に住んでいるということを思い知らされます。
自分の地域は大丈夫!と言った保証もなく、海岸付近はもちろん山に至っては雨や雪による地盤が緩んでしまうことによる災害も起きる時があります。そうなるともし山奥に代々受け継がれてきたお墓があると、心配は尽きませんよね。
今回、そんな災害が起きる前にどうにかお墓を自宅付近やそう遠くない近所に移したいけど・・・という方のために、実際に手順や費用についてご説明いたします。
■山の中にあるお墓の引っ越し(改葬)に必要なことって?
お墓の引っ越し(改葬)は、以下の4パターンがが挙げられます。
①ご遺骨のみ移動する
②墓石ごと新しい墓地へ移動する
③ご遺骨の一部のみを別に用意したお墓へ移動する
④遺骨の一部をお墓から出して、新たにお墓を建てる
ご遺骨のみを移動させる①番が費用的にも作業的にも比較的簡単ですが、先祖代々のお墓であればご遺骨が1つ2つとは限らず、複数あったりお墓の建造が古ければ古いほど、「土葬」である可能性もあり、そうなると予想していたよりも費用や引っ越し作業に日数や手間がかかる可能性もあります。
ただ、移転する先の寺院・霊園でこれまで建っていたお墓をそのまま移設できれば問題ありませんが、新しく墓石を建てることを条件にしている墓地も少なくなく、その場合は遺骨だけを新たな引っ越し先(改葬先)に移動させます。
特に山の中のお墓であれば、道路が整備されていないことも多く、墓石を移動させるための重機やトラックなどを入れることができない場合もあります。また山の中から自宅や近所にお墓を引っ越し(改葬)するということは、墓石の運搬費もかかってしまうこともあります。
■お墓の引っ越し(改葬)までの手順は?
お墓の引っ越し(改葬)には決まった手順があります。まずはなんと言っても家族や親族一同でお墓を引っ越しさせるための話し合いが必要です。
次に引っ越し(改葬)することが決まったら、移転先となる墓地・墓所を決めます。移転先が決まったらその墓地の管理者から「墓所使用承諾証」または「受入証明書」を発行してもらいます。その2つの書類を今お墓がある市区町村役場に提出することで「改葬許可証」が発行されます。「改葬許可申請書」は役場の窓口やホームページから入手することができ、ご遺骨1体につき申請書が1枚必要となる場合と、複数のご遺骨を1枚でまとめて申請できる場合と、書式は自治体によって異なります。
また、引っ越し先となる墓地の区画の大きさによって新たに墓石を用意するのか、それともこれまでのお墓をそのまま移設するのかでも手順が異なります。新たに墓石を用意するのであれば、その完成後にご遺骨を移動します。この時、今あるお墓の管理者から「埋蔵証明書」を出してもらいます。もし山などにあるお墓が個人による管理の墓地「個人墓地」であれば管理者=現在の墓守ということになるので、墓守が「埋蔵証明書」を作成する必要があります。もしご遺骨のなかで古すぎてわからない場合は、その旨を市区町村役場で説明する必要があります。
「埋葬・埋蔵」2つの書類の違いとは?
「埋葬」とは、現在ご遺体が土葬されている場合
→ご遺体は「埋葬」されているため、改葬・墓じまいには「埋葬証明書」が必要となります。
「埋蔵」とは、現在火葬したご遺骨がお墓の中にある場合
→ご遺骨は「埋蔵」されているので、改葬・墓じまいには「埋蔵証明書」が必要となります。
よく似た言葉ですが「埋葬」=「土葬」の場合、「埋蔵」=「火葬」の場合と覚えておきましょう。
■お墓の引っ越し(改葬)までの日数は?
お墓の引っ越し(改葬)は、多くの手続きや作業が必要となり一般的には引っ越しをしよう!と思ってから3ヶ月〜半年程度時間が必要となります。もちろん手続きや法要の日程、引っ越し作業をする石材店の日程など全てが噛み合ってスムーズに進みますので、日数は長く見積もっておいた方がいいでしょう。
■引っ越し(改葬)にかかる費用はどのくらい?
もともとあるお墓で必要となる費用と、引っ越した先で必要となる費用は異なります。
【現在のお墓】
各種書類発行手数料 | 数百円〜1,500円程度 |
閉眼供養(魂抜き儀式費用) | 3〜5万円程度(お布施) |
今のお墓を処分する費用 | 1m²につき10〜30万円程度 |
お墓があった区画を更地にする費用 | 1m²につき10〜20万円程度 |
離壇料 | 数万円〜30万円程度 |
墓石の運搬費用 | お墓の状態や移動距離によって異なる |
【新しいお墓】
開眼供養(魂入れの儀式費用) | 1万円〜3万円程度 |
新しい墓地の使用料 | 70万円〜100万円前後 |
新しい墓石代 | 80万円〜200万円程度 |
建設費用 | 20〜30万円程度 |
納骨(埋蔵)費用 | 1体3万円程度 |
檀家に入る費用(寺院の場合) | 10万円〜20万円程度 |
お布施(寺院の場合) | 3万円〜5万円程度が相場 |
年間管理料 | 数千円〜2万円程度 |
あくまで費用に関しては、一般的な相場から算出したものとなりますので、必ず引っ越し(改葬)をする前に石材店から見積もりを取ったり、上記を参考にどのくらいの費用が必要になるかを、書き出してみるといいでしょう。
また、現在のお墓(改葬前のお墓)が急な山の斜面にあったり、道が整備されていなかったりなど、通常の引っ越し(改葬)よりも手間がかかる場合は、追加で作業代が必要になることもあります。
■まとめ
山奥にあるお墓は車でないと行けない・・・、途中からは必ず登山になってしまう・・・、など傾斜がある山だからこその不便さから知らず知らずのうちにお墓から足が遠のいてしまうなんてことになりかねません。
お墓の引っ越し(改装)は決して簡単ではないからこそ先延ばしにせずに思い立ったらすぐに行動しませんか?
大掛かりな作業が待っていたとしても自宅近くや近所などいつでもお墓参りへ行けることができる場所に改葬したことで、故人やご先祖様も喜んでくれるはずです。
手続きや心配事などは、お墓の引っ越し(改葬)で力を貸してくれる石材店にまずは相談だけでも前進できるはずです。
まずは気軽にオンラインなどから問い合わせてみてはいかがでしょうか?オンラインでの相談は、こちら