お役立ちコラム
2.42020
「墓じまい」にはいくらくらい必要? 【費用編】
近年、「お墓を継ぐ人がいない」「高齢でお墓参りに行けず負担になっている」など様々な理由から「墓じまい」を選択する人が多くなってきています。「墓じまい」とは、管理・維持が難しくなったお墓からお骨を取り出し、お墓を解体・撤去して再び更地に戻し、霊園管理者に返還することを言います。
「墓じまい」をする人の多くから次のような理由があげられています。
○お墓を継いでくれる後継者がいない
○子供達に管理を背負わせたくない
○金銭面的な理由からお墓の維持が続けられない
○地方のお墓の管理が難しい
○高齢になるにつれお墓参りに行けなくなってきている
このような理由で、「墓じまい」する人の割合が増えているのが現状です。
ここでは「墓じまい」に必要な費用について詳しくご説明いたします。地域やお墓の状況などによって金額面に多少の誤差がありますので、予め参考金額としてご参照ください。
簡単に「墓じまいの費用」の内訳は下記の通りです。
・墓じまいの手続きに必要な費用(改葬費用)
・元あるお墓の撤去・解体費
・新しい納骨先の費用
・離檀料
改葬に必要な費用
まずは基本的に、お墓のある市区町村で発行してもらう「改葬許可証」の発行手続きを行います。こちらは無料ですが、管理者から発行してもらう「埋葬証明書」や「受入証明書」については数百円〜数千円の手数料がかかることがあります。
また改葬の許可に住民票や戸籍謄本が必要な場合がありますので、その発行手数料が必要となります。役所によって異なりますので、改葬許可申請書をもらうときに、必要書類と合わせて費用もしっかりと確認しておきましょう。
閉眼供養(魂抜き)の費用
「閉眼供養」はお墓に入っている魂を抜く法事です。お墓から遺骨を取り出し、お墓を解体する前には必ずこの「閉眼供養」のためにお坊さん(僧侶)にお経を読んでいただきます。寺院墓地はもちろん、霊園や地域の墓地でも「閉眼供養」するのは当たり前で、通常の法事の時の費用と同じくらいと言われています。大体1万円〜5万円あたりが目安となります。
また、法事後に会食の席を設ける場合にはお坊さんに出席を加味しなければなりませんが、お坊さんによって会食を辞退されることも少なくないので、そういった場合には御膳料として1万円程度をお包みするのが基本です。
墓石撤去費用
石材店が、お墓の解体・撤去をし更地に戻すための工事費用です。相場としてとして1㎡あたり8万円〜15万円ほどと言われています。またお墓の立地条件(車両や重機が入れられないなど)や、土台の構造によっても金額が異なってきます。
例えば幅2m、奥行き2mだったとすると墓地面積は4㎡となり相場で当てはめると、28万円〜60万円という計算ができます。しかし計算額に開きがあるので、まずは石材店に見積もりを取って確認しておけば安心です。尚、当社での2019年度の「墓じまい」の工事の平均単価は25万円です。
離檀料や霊園の手続き費用
お墓が寺院墓地の場合「墓じまい」するということは、離檀することになるので、それに伴う費用が発生します。不要とするお寺もある一方、お寺の決まりとして求められる場合もあり、目安として3万円〜十数万円が一般と言われています。ただし、寺院や今までのお付き合いの度合いによって異なりますので、ご住職にしっかりと確認することをお勧めします。準備段階から誠意を持って相談しておこなわないと、思いも寄らぬ高額請求などトラブルの原因になることもあるので要注意が必要です。今までお墓を守ってもらった感謝の気持ちを忘れず、離檀の時は慎重に対応するよう心がけてください。
霊園の場合は、書類の変更などの事務手数料が必要な場合があります。こちらも準備段階で確認しておきましょう。
新しい供養先での費用
お墓から取り出した遺骨の新しい供養先は、供養の方法によって金額が大きく異なります。
改葬 | 20万円〜80万円程度(墓石運搬による移動距離や墓石の大きさによって異なります) |
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永代供養墓(合葬墓) | 5万円〜50万円(規模や納骨タイプによって異なります) |
樹木葬 | 22万円〜80万円(規模や納骨タイプによって異なります) |
納骨堂 | 20万円〜100万円 |
手元供養 | 2万円〜50万円(アクセサリーや入れ物などの種類のよって異なります) |
散骨 | 5万円〜20万円(散骨のタイプによって異なります) |
新しい墓石のお墓 | 40万円〜 |
お墓の引っ越し | 30万円〜 |
散骨や手元供養には、粉骨(遺骨を細かくパウダー状にする)が必要になります。永久供養塔や樹木葬でも必要な場合があり、目安として遺骨1体あたり2万円〜5万円くらいとなります。
またここでは開眼供養(魂を入れる)として3万円〜5万円ほど必要となる場合もあるので、ここでも事前に調べておくと後々のトラブルを防ぐことができます。
「墓じまい」は現在のお墓の規模や「墓じまい」後の供養方法などによって費用が大きく異なります。準備段階から費用に関して家族や親族としっかり相談することが必要です。一度たたんでしまったお墓は元には戻せません。ご先祖様に安心してもらうためにも、トラブルはできるだけ避け「墓じまい」できるよう費用はしっかり概算することが必要です。
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