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「墓じまい」には様々な準備が必要不可欠!【準備編】

前回の記事で、墓じまいの費用についてお話しましたが、いざ「墓じまい」と考えた時、費用の次に考えるのは「準備」ではないでしょうか。
意外とすることが多いので、専門業者にお願いする方法もありますが、まずはきちんとお墓と向き合い、どのように進めればいいのか、検討していきましょう。

「墓じまい」とは?

たびたび耳にする「墓じまい」は、今あるお墓を解体・撤去し、別の形で供養することを言います。ニュースなどで耳にすることもあり実際に「墓じまい」という言葉を知っている人も多いです。また「墓じまい」を検討したことがある人も増えています。

「墓じまい」するためには?

実際、「墓じまい」については法律(墓埋法=墓地、埋葬等に関する法律)で決められた手続きを踏む必要があります。墓埋法は、昭和23年に制定された、墓地や火葬場などの遺骨や遺体の処理などに関する法律のことです。日本国憲法では「信教の自由」「思想・信条の自由」が保証されているので、思想や宗教などに関しては言及されていません。あくまでも公衆衛生上の法律です。

墓じまいは最後の選択肢ですので、もちろん法律も大切ですが、何よりも親族とよく話し合うことと、ご先祖様に敬意をもって「墓じまい」することをご報告することが一番大切です。

墓じまいをするために準備することとは?

実際に「墓じまい」をするにあたり、どのように進めればいいのか、重要なポイントをご説明します。ただお墓をたたんでしまえばいいというわけではなく、家族・親族との話し合いから、「墓じまい」にかかる費用、各種手続き、そして新しい納骨先の選択などやらなければならないことが山ほどあります。

墓じまいのための準備ポイント!


■お墓を継承してくれる人を確認する
「墓じまい」をする人が、お墓を継承すればなんの問題もありませんが、正式な継承者が自分であるかどうかも含め不明な場合は、確認は必須です。「できれば「墓じまい」は避けたい・・・・」「継承者が名乗り出てくれない・・・」そんなこともあるかもしれません。それでも家のお墓は、継承者がその決定権を全て持っていますので、継承者の了承もないまま改葬手続きはできません。行き違いや誤解がないよう、しっかりと調べる必要があります。

■家族・親族との話し合い
先祖代々継承してきたお墓にしろ、両親のみが眠っている一代だけのお墓にしろ、故人に親兄弟がいる以上は、一家族だけで「墓じまい」を決めてしまうのは後々トラブルになりかねません。思いつく限りの親族にはできるだけ連絡を取り、「墓じまい」のことを知らせて承諾してもらうようにしましょう。継承者を確認する意味でも、親族間での話し合いは必要不可欠です。一度お墓をたたんでしまうと、元には戻せませんので、準備段階でまずは親族間の話し合いが一番重要なポイントとなってきます。

■遺骨の行き先
「墓じまい」をするにあたり、お墓に埋葬されている遺骨の行き先を決める必要があります。「墓じまい」すればそれで終わりというわけにはいきません。

永代供養墓に納骨するのが一般的ですが、散骨や樹木葬、手元供養など様々あります。またそれぞれの改葬方法によって洗骨などの処置も先に必要となってきます。改葬によって金銭的な負担もあり、どの方法がいいかしっかりと調べ、納得いく形を取るようにしましょう。

■寺院・霊園などへ相談
墓地が寺院であれば住職、霊園であれば管理事務所に連絡して「墓じまい」について事前に相談をします。ただ事務的に「この日にお墓を撤去します」と告げるだけだど、角が立ちます。そのせいで離檀料が相場より高い!なんてことにもなりかねません。特に寺院の場合は今まで檀家としてお世話になっているので、事情をきちんと話しておく必要があります。

離檀とは、お寺にあるお墓を移転・撤去して檀家を離れることを言います。本来、墓地はお寺からお墓用の土地を拝借する形になっている場合が多く、それを返還するということは親しんだお寺から離檀することとなります。

ご先祖代々お世話になった菩提寺ですので、感謝の気持ちを持って誠意ある対応をするよう心がければ、寺院側も「墓じまい」までしっかりと対応してくれます。ここが疎かになると後々トラブルの原因にもなりますのでご注意を。

またこの時、離檀料(寺院の場合)や閉眼供養、お墓を更地にする際の石材店のことなど「墓じまい」の具体的な費用の話も出てくることがあるので、先に調べた費用と大差ないかどうかなど確認してみてください。また事前に知っておきたいこと・相談しておきたいことはここでしっかり聞いておくといいでしょう。

「墓じまい」で大切な準備に対し、しすぎるということはないので、念には念を入れましょう。家族一同で話し合い、寺院や霊園などで相談しはじめて「墓じまい」も実現的になってきます。本当に「墓じまい」をしてしまっていいのだろうか?など不安に思うことも多いと思います。そのためにもしっかりと話し合いをし情報収集することをオススメします。自分たちらしい最良の方法で「墓じまい」できるのが一番です。

「墓じまい」に関する具体的な手続きについては次回以降にお話ししたいと思います。

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