お役立ちコラム
8.262022
【秋のお彼岸】日程やお供え物は?お彼岸の常識や迎え方・準備について徹底解説
春と秋、年2回あるお彼岸。「寒さ暑さも彼岸まで」ということわざがあるくらい、ポピュラーな言葉ですが、そもそもお彼岸とは何?という人も少なからずいるはずです。
ここではお彼岸の意味からお墓参りの作法や法要まで、お彼岸についてご説明します。
■お彼岸とは?
まずは「彼岸(ひがん)」という言葉は、仏教用語で「極楽浄土(ごくらくじょうど)」のことを言います。
現世の「此岸(しがん)」から煩悩と迷いを断ち切り三途の川を渡った先が、仏様のいる悟りの世界「彼岸(ひがん)」と言われています。
ここから「お彼岸」という言葉がきていて日本古来からの信仰である太陽信仰が発祥とも言われています。これは太陽(日の出)に祈りを行う「日願(ひがん)」が、西に極楽浄土があると考える仏教思想と結びついたものだと考えられているからです。
また、農耕民族である日本人は、古来より昼夜の長さが同じになる春分と秋分の日を大切な日として、春は豊穣を祈り、秋は収穫を感謝し、作物を育ててくれた太陽や、自然の全てに感謝をしてお供えをしてきました。
仏教では、太陽が真東から上がり、真西に沈む春分と秋分の日は、東にある現世と西にある彼岸(極楽浄土)が最も近くなり、この時期に供養することで極楽浄土に通じる(行ける)と考えられています。
また暦の上で春分と秋分の日は二十四節気の一つにあたり、春と秋との祈り返し地点でもあります。
■お彼岸の時期
お彼岸の期間は、その春分・秋分の日を挟んだ1週間ということになります。
<2022年の秋のお彼岸>
彼岸入り:9月20日(火)
中日(秋分の日):9月23日(金)
彼岸明け:9月26日(月)
■お彼岸の期間、お墓参りはいつ頃行けばいいの?
お彼岸の期間は1週間ありますが、いつお墓へ行くのがベストでしょうか?
お彼岸は「お彼岸の入り」「お中日」「お彼岸のあけ」とそれぞれ呼び名があり、この1週間の間は全て「お彼岸」にあたるので、いつお墓参りへ出かけても大丈夫です。
お彼岸の期間の土日や、春分・秋分の日の祝日などお休みを利用してお墓参りする人も多いです。
この時期は、お墓参りする人で混雑しますので、できるだけ込み合わない時間帯を選んで出かけられれば一番です。またお参りだけでなく、お墓のお掃除もすると考えると時間には余裕を持って出かけたいですよね。
■お彼岸にお墓参りするための準備
お彼岸と言っても、いつもと同じお墓参りで大丈夫です。「お線香」「お花」「ロウソク」「お水」「お供え物(食べ物)」とお墓参りの基本の持ち物と寺院仏閣によって掃除道具やゴミ袋といったものも用意すれば万全です。
■お彼岸のお墓参りで備える花は?
仏前に備えるお花は、仏花と呼ばれます。
白・黄・紫の3色または、白・黄・紫・ピンク・赤の5色で揃えます。四十九日までは、白を基調にアレンジメントします。またお花の本数も奇数で揃えましょう。
仏花の定番といえば、菊ですが、他にカーネーションなどもよく用いられます。逆にバラのようなトゲのある花や、朝顔のようなツルのある花、彼岸花のような毒のある花は避けます。いずれにしてもお花屋さんにお彼岸にあったアレンジメントがおかれるようになります。
■お墓参りをするときの作法
3回忌が終わるまでは正式な服装である、礼服でお参りする地域もありますが、基本的に普段着で問題ありません。それでもできるだけ派手な服装を避け、動きやすい服装が良いでしょう。
お墓参りの作法は宗教や宗派、地域によって違いがありますで、一般的な作法についてご説明します。
・お墓の前で合掌もしくは一礼
・お墓の掃除
・ロウソクに火を灯し線香をつける
・お供えをする
・故人と対話する(お祈り)
・合掌もしくは一礼
・後片付け
■法要について
お彼岸の期間、お墓参りだけでなく法要を行う場合もあります。
初彼岸を迎えた場合、ご遺族が個別に僧侶に法要をお願いすることができますが、必ずしなくてはいけないということはありません。この時、遺族は礼服(喪服)で行い、親戚や知人の家に出かけるのであれば、派手すぎない平服で問題ありません。また地域によっては3回忌までは礼服の所もありますので、事前に確認しておきましょう。
お布施の相場は3万円〜5万円程度ですが、これも地域や寺格によって異なりますので、依頼する時に確認といいでしょう。
■仏前のお供え物
お彼岸といえばぼたもちとおはぎが一番に頭に浮かぶという人も多いでしょう。春は牡丹の花の「ぼたもち」、秋なら萩の花の「おはぎ」と呼び方は違うだけで同じものです。これはご先祖様への供物の小豆餡をお花に見立てたもので、お彼岸のお供えの定番ですが、必ずお供えしなければならないというものではありません。
しかし小豆の朱色(赤い色)が災難から身を守り厄除けの効果があると言われているので、仏壇にお供えし、その後みんなで美味しく頂くというのが最適です。
ご先祖様や亡くなった故人を思い出す日でもあるお彼岸。春分や秋分の日が近づいてきたら、まずはお墓参りすることを念頭に準備してみてはいかがでしょうか。