お役立ちコラム
6.102021
墓地(霊園)の選び方!それぞれメリット・デメリットとは?
日常生活を送っている中で、なかなか考える機会が少ないお墓選びは、高価な買い物だからこそ、建ててから後悔はしたくないものです。
一度お墓を建ててしまえば、容易に建て直しや移転をすることもままなりません。
宗教や宗旨、宗派はもちろんのこと、どこに建てるのがベストなのか?墓石を取り扱う石材店はどこにするべきなのか?考え選ぶ作業は一苦労です。
■墓地は、大きく分けて4種類!
墓地と一言で言っても、山裾を切り開いた大規模な霊園から、普通の住宅地の片隅に古くからある墓地までさまざまです。大きく分類すると、4種類に分けることができます。
●寺院墓地
●民営墓地(霊園)
●公営墓地(霊園)
●共同墓地(霊園)
▼寺院墓地
墓地と考えたとき、1番に思い浮かぶのが寺院墓地ではないでしょうか。お寺の境内または寺院に隣接している敷地内に設けられた寺院墓地は、お寺が主体となって管理・運営しています。
原則として、それぞれの寺院の檀家や門徒・信徒のための墓地です。葬祭や供養を専属で優先的に行ってくれるため、お彼岸やお盆といった繁忙期でも困ることがありません。寺院墓地によっては必ず檀家になる必要がないところもあります。
|寺院墓地のメリットとデメリット
管理・運営を寺院が行なっているため、1番に安定・安心感があります。また身近の墓地などを選べば、お墓参りも楽です。
ーメリットー
・寺院という安心・安定感がある
運営・管理が寺院と直接つながっているため、お墓の管理や葬祭、供養など全て任せられ、また相談にものってもらうことができます。
・手厚い供養
檀家になることで、住職とも親密になれることから、手厚い供養を受けられます。また継承者がいなくても、遺族に代わりお寺が供養してくれる永代供養を受けることも可能です。
・立地条件が良い
首都圏などの寺院は、比較的アクセスしやすい場所にあることが多いです。寺院は地域に密着していて身近に多く、お墓参りもしやすいです。
ーデメリットー
・自由度が比較的に低い
宗派や宗旨を限定している寺院墓地が多く、一般的にその寺院の宗派や宗旨で法要が行われます。
・自由に墓石を選べない
大きさや形、デザインなど指定や範囲など限定している場合があります。また寺院で決められた石材店でしか墓石を購入できないこともあり、好きに墓石を選ぶことが難しいです。
・費用が割高
お墓を建てようと考えている寺院の格式や設備などによって異なりますが、英代使用料や毎年支払う管理費などが他と比べて高めです。
・それぞれの寺院によって運営形態に差がある
寺院が運営している分、サービスよりも信仰に重きを置く傾向があるため、それぞれで運営方針に差があります。
■民営墓地(霊園)
民営墓地は、「地方自治体」「宗教法人」「公益法人」などが運営管理している墓地のことです。寺院墓地の多くはお寺の檀家になる必要がありますが、民営ではその必要がありません。区面に空きがあればいつでも申し込むことが可能で、埋葬場所を選ぶこともできます。そのため、生前に墓地を購入することも可能です。
また、区面はさまざまな大きさがあり、予算や希望に合わせて自由に選択することもできます。さらにペットと一緒にお墓に入れたりする所もあります。
ちなみに、民営墓地は、営利目的で民間企業が経営することは、根本的に認められていません。墓地には公共財的な側面を持っているので、営利目的で運営することによる経営破綻を起こすわけにはいきません。
そのため、民営墓地の経営主体は、宗教法人や財団、社団法人となります。
|民営墓地(霊園)のメリットとデメリット
事前にしっかりと確認したいのが、メリットとデメリットです。施設によって異なりますので、必ず確認するようにしましょう。
ーメリットー
・利便性に優れている
各駅やバス停などから近く、都市部からアクセスしやすい所が多いです。また少し離れている場合でも、送迎バスがあったりと、参拝しやすく工夫されています。
・施設のサービスが充実している
水汲み場はもちろん、お手洗いや休憩できるスペースなどが整備され綺麗に保たれています。またお線香や生花などを販売する売店や、車いすの貸し出しなどサービス面も魅力の一つです。そのほかにも法要施設や駐車場などさまざまな設備やサービスが充実しているところが多いです。
・墓地・墓石の自由度が高い
予算やさまざまな希望に応じて、区面の広さやデザインの自由などを選ぶことができます。区面に関しては先着順で、空いていれば随時申し込みすることができます。
・各種制限が少ない
申し込み時の資格制限が少ないのも特徴です。宗教や国籍などの制限がないので、利用する人が多いです。また生前に購入することもできます。
・多種多様に変化するニーズに対応
家族の一員でもあるペットと共に入ることのできるお墓や、永代供養型の個人墓、樹木葬墓など多様なニーズに対応している霊園もあります。民営だからこそ、利用者の変化していく希望に応じてくれるところも、これからどんどん増えるでしょう。
ーデメリットー
・費用が少し割高である
公営と比較すると、永代使用料や管理費などが割高な傾向です。
・指定石材店制度がある
民営の多くが「指定石材店制度」を採用しているため、霊園の提携石材店でのみ墓石の購入。建設ができないことがほとんどです。
・区面が売り切れてしまう
人気度の高い霊園や区面などは、すぐに売り切れてしまうことがあります。
・運営元が倒産する恐れがある
寺院や公営とは異なり、民営の場合は倒産の恐れが拭いきれません。永続的に墓地が運営されていくか、きちんと確認が必要です。
■公営墓地(霊園)
公営墓地は、地方自治体が管理している墓地のことを言います。公営墓地の利点は、地域住民の埋葬や供養を行政サービスが行なっているので、墓園内の管理などがしっかりとしています。
年に数回、共益部分の清掃を行うというところが多いようですが、民営墓地のように突然倒産といった恐れがありません。あくまでその地域に住む住民のための墓地なので、信教の自由が保障されています。また指定の石材店が決まっていないので、好きな石材店で墓石の工事ができます。せっかく見積もりを取って自分の意に沿ってくれる石材店を見つけても、墓園によっては受け付けてもらえないこともあります。
ちなみに、信教の自由、石材店の自由など利点が多い分、人気度も高く、空きが出ても抽選になってしまうことも多々にあります。そうなるとすぐに墓地を購入したいと考える方には少しハードルが高そうです。
また公営だからといって墓地が安いとは言えず、公営墓地のある土地の地価に比例しているので注意が必要です。
|公営墓地(霊園)のメリットとデメリット
石材店の指定がなかったり、細かなルールがあったりとさまざまなメリット・デメリットがあります。
ーメリットー
・低コスト
一般的に、民営より公営の方が永代使用料や管理費が安いです。もちろん地域や霊園の立地条件などによって大きく差が出ます。
・信教の自由
公営は、その自治体に住んでいる人であれば、宗旨・宗派などに関わらず利用することができます。
・経営が安定している
自治体が管理しているので、倒産や廃寺といったリスクが少ないです。
・石材店の指定がない
民営のように「指定石材店制度」がないので、希望する石材店で墓石を建てることができます。
ーデメリットー
・申し込みの条件がある
申し込むときにいくつかの条件があります。「申込者の住所が自治体管轄にある」「遺骨があること」「親族に継承者がいる」など条件をみたいしていない場合、そもそも申し込みをすることができません。
・申し込み期限が設けられている
公営の多くは、使用するための申し込み期限があります。
・応募が多いと抽選になる
希望者が多い場合、抽選になります。当選しないとお墓を建てることができません。
・施設が不十分なことがある
公営には、法要施設が併設されていないところも多く、場所によっては休憩所がなかったり、水場(桶や杓子を含む)がないところもあります。
・細かなルールが多い
公営は、墓石の幅や高さを制限していることがあります。
■共同墓地(合祀墓)
共同墓地は、全く知らない故人同士が複数人、一つのお墓に納骨する場所のことを言います。お墓の管理をする人がいない、お墓に費用をかけたくないと考える方に選ばれています。
共同墓地は、昔ながらでは「同じ地域に住む人が一ヶ所にお墓を作る墓地」と、新しく使われている「合祀墓のお墓で大きな供養塔などの内部に複数人の遺骨を納めるお墓」の2つの意味があります。
よく混在されるのが「共同墓地」=「永代供養墓」ではないということです。新しい意味での「共同墓地」は確かに永代供養墓でありますが、昔ながらの「共同墓地」は、永代供養墓とは違う意味を持っています。
|共同墓地のメリットとデメリット
他と比べると安い反面、他人と一つのお墓を共有しないといけないなど、共同墓地にもさまざまなメリットとデメリットがあります。
ーメリットー
・価格が安価
複数の故人が一つのお墓に入るので、お墓の建立費が不要のため価格が安めです。
・管理する必要がない
草むしりや掃除といったお墓を管理する必要がありません。
・一部を除き管理費が不要
年間管理費の支払いが必要ありません。ただし遺骨の保管方法や契約などによっては使用料・管理料などがあることも。
・継承者がいなくてもいい
英代供養料を支払っているため、後継がいなくなった後も供養してもらえます。
ーデメリットー
遺骨を後から個別に取り出せない
骨壷から遺骨を取り出し埋葬するため、後から別のお墓に納骨することができません。
他人と一緒に埋葬される
共同墓地のため血縁関係のない他人と一緒に埋葬されてしまいます。
お墓の掃除ができない
供養のためにと掃除をしたい人もいると思いますが、清掃は管理者が行うため原則できません。
■まとめ
墓地(霊園)によって条件もさまざまあります。まずはお墓を建てようと考えたときに、費用や立地条件、サービスなどじっくりと比較してみることをオススメします。
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