お役立ちコラム
9.52021
葬儀でのマナーの違いとは?各宗派別、お焼香やお経の違いや香典・服装について
葬儀が行われる際、宗派によってマナーが異なるのはご存知でしょうか?宗派が違えば当然、お経や焼香のやり方などが違うので、いつも通りの流れにそって行えば問題なず・・・というわけにはいきません。宗派それぞれに作法やマナーがあるので、事前に下調べをすることをお勧めします。
葬儀・告別式に参列する際、マナーをしっかりと把握しておきましょう。遺族にとって故人を見送る葬儀はとてもナーバスな状態とも言えます。そこで非常識極まりない態度やマナー違反を行えば、不興をかってしまいます。
■服装のマナー
服装は当然、喪服であることが望ましいですが、地味な外出着でも問題ありません。喪服を着る場合は、正式礼装を喪主や遺族が着用するので、一般の参列者は、正式礼装より各下の準礼装や略礼装の装いがベストです。
男性なら紺やグレー、女性なら地味な色彩のスーツやワンピースなどがいいでしょう。七回忌以降は、さらに軽装にしてもいいと言われています。しかし服装も宗派や故人・施主の意向によって案内通知に服装の指示がある場合もあるので、その場合は指示に従うようにします。
■香典(こうでん)のマナー
香典は、故人の宗教に合わせ不祝儀袋に包んで持っていきます。表書きは、仏式では、「御香典」「御香料」、相手の宗教が不明の場合は「御霊前」です。また不祝儀袋は故人が亡くなり、四十九日までは「御霊前」、三回忌までは「御仏前」を送ります。「御霊前」の包みなどは本来霊前に手向けるものですが、受付などがあれば接待係の遺族に、ないようであれば直接瀬主に渡すようにします。
お札も、慶事のご祝儀の場合は新札を入れるのがマナーですが、香典の場合は新札は使用しません。もしも新札であった場合、不幸を予め予期して用意していたように思われてしまうからです。ただし使い古したお札は避けましょう。少し破れていたり、クシャクシャだったりするお札は見苦しく、礼儀に欠けます。新札ほど新しくなくてもある程度キレイなお札を使うか、新札しかなかったら、一度折り目をつけてから入れるなどするといいでしょう。
●お札を入れる向き
お札を入れる向きについて明確なルールなどはありませんが、一般的には、中袋を裏にして開けた時、お札の表(人物が描いてある方)が上になるように入れます。お札を2枚以上入れるときは、お札の向きを揃えることを忘れずに!不祝儀袋の入っている、ビニールの裏面にもお札の入れ方などが書いてあるので参考
●お札の枚数は?
香典に包むお札の数は、明確な決まりがあるわけではないものの、1枚、3枚、5枚、10枚あたりが一般的です。また日本では「4」や「9」といった縁起の悪い数字と考える風習があり、人によって失礼にあたることもあるので、できれば避けるのが無難です。
●袱紗(ふくさ)に包む方法
香典袋を包む袱紗(ふくさ)には、挟むタイプと折りたたんで包むタイプと大きく2種類があります。挟むタイプであれば香典袋の向きに気を付けて挟むだけなので、手間になりません。一方折りたたむタイプは、正しい方法で折る必要があります。
挟むタイプは左側が開くようにします。右側が開くようにするのは慶事の時です。左開きで表書きが前になるよう挟み込みます。
折りたたんで包むタイプは、正しい折り方である必要があります。ひし形になるようふくさを開き、中央から少し右に香典袋を置きます。右側、下側、上側の順番に角を中に向かって折り込み、最後に左側を折ります。
また、金額によって使用する袱紗(ふくさ)を変えるといいでしょう。挟み込むタイプは1〜3万円、折りたたむタイプは3万円以上包む場合に使用します。
●香典(こうでん)を渡すタイミングは?
葬儀に参列する場合と、参列しない場合で、香典を渡すタイミングが異なります。葬儀に参加する場合は、お通夜か告別式のどちらかに渡します。2回とも渡すと不祥事が続くことを連想されてしまうのでマナー違反になります。片方に参列する場合はその時に渡し、両方に参列する場合は、告別式で渡すのが一般的です。
葬儀に参列せずに香典のみ郵送する場合は、葬儀が終わってから1週間〜1ヶ月以内に送るのが適切なタイピングと言えます。遺族が香典返しの準備をするので、なるべく葬儀後早めに送るように心がけましょう。
●香典(こうでん)の渡し方
葬儀の受付で、「このたびは、御愁傷様でございます。」とお悔やみの言葉とともに、一礼します。その後、袱紗(ふくさ)から香典を出し、袱紗(ふくさ)の上に不祝儀袋を乗せ、受付の方から香典の文字が読める方向にして渡します。
●香や供花のマナー
故人と親しい間柄だったり特に縁が深い場合は、御仏前とともに香や供花もしくは、御供物料や供花料を届けるといいでしょう。
特に供花は、注文する業者が決まっていることもあるので、喪主やご遺族に事前に連絡して教えてもらうといいでしょう。
■葬儀でのマナーの違いとは?
宗派ごとの教えの違いから、葬儀で唱えるお経やお焼香の作法が異なります。
●読経の違い
宗派ごとで重視される経典が異なるため、僧侶が葬儀で唱えるお経も違います。
・天台宗(てんだいしゅう)は「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」、もしくは「南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)」と唱える
・真言宗(しんごんしゅう)は「南無大師遍照金剛(なむたいしへんじょうこんごう)」と唱える
・浄土宗(じょうどしゅう)と、浄土真宗本願寺派(じょうどしんしゅうほんがんじは)、真宗大谷派は「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」と唱える。
・浄土宗本願寺派(じょうどしゅうほんがんじは)・真宗大谷派(しんしゅうおおたには)は参列者全員で「南無阿弥陀仏」と10回唱えるのが特徴
・曹洞宗(そうとうしゅう)と、臨済宗(りんざいしゅう)は「南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)」と唱える
・日蓮宗(にちれんしゅう)は「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」と唱える
●お焼香の違い
抹香を額近くまであげるのが一般的ですが、各宗派によって方法が異なります。お焼香を間違えるのは、故人やご遺族に対し、とても失礼にあたりますので、事前にどの宗派に属しているのかなど調べておくといいでしょう。
・天台宗(てんだいしゅう)のお葬式では特に定めはなく、お焼香は1〜3回で、お線香は3本とされています。
・真言宗(しんごんしゅう)のお焼香は、抹香を額に3回、お線香は3本立るとされます。
・浄土宗(じょうどしゅう)のお焼香は特に定めがなく、お線香は1本のみです。
・浄土真宗本願寺派(じょうどしんしゅうほんがんじは)は、お焼香は額にいただかずに1回、お線香は1本を折って寝かせます。
・真宗大谷派(しんしゅうおおたには)のお焼香は抹香を額にいただかず2回、お線香は立てずに2〜3つに追って寝かせます。
・曹洞宗(そうとうしゅう)のお焼香は、額に抹香を1回あげ、2回目は額にいただきません。お線香は1本とされています。
・臨済宗(りんざいしゅう)のお焼香は、抹香を額にいただかず1回、お線香は1本です。
・日蓮宗(にちれんしゅう)のお焼香は、抹香に額にいただかず1〜3回で、お線香は1〜3本です。
■まとめ
葬儀や法要・法事でのマナーは、ご遺族やその親族のことを思う気持ちの現れでもあります。服装・香典・お焼香など心から故人の冥福を祈り、ご遺族に心から寄り添い丁寧に弔意を示すことが大切です。
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