お役立ちコラム
10.202024
幼い子どもがいて、お墓を管理できない!墓じまいをしていいの?〜誰も後悔しない為の墓じまいとは〜
まだ幼い子どもを抱えながら、お墓の管理も・・・となると負担が大きく、どちらも兼業するのは難しいですよね。どうしても子どもを優先したいけれども、ご先祖様や故人も蔑ろにはできない、となるとどちらも気を抜くことはできません。
もしお墓の管理がどうしても難しいとなった場合、墓じまいをしても問題はないのでしょうか?
■そもそも墓じまいとは?
墓じまいは、お墓を継ぐ人がいない場合に、墓守がお墓を撤去し、墓地と更地に戻して墓地の管理者へ返却することを言います。このとき、お墓からご遺骨を取り出し永代供養をしたり、別のお墓に納骨するなどご供養をします。また永代供養のほかに、散骨や樹木葬など今はさまざまな供養の仕方があります。
また地方の場合でも墓じまいは深刻な問題で、働き手となる若い世代が進学や就職、結婚を機に都市部へと移ってしまい、過疎化による墓じまいも増えているのが現状です。
どうしてもお墓がある土地に住む親世代が恒例となり、お墓参りへ行くのもままならない状態の上、遠くに住む子世代が頻繁に帰省することもできないでしょう。そうなればお墓も荒れてしまいます。
しかし代々守ってきたお墓をいきなり墓守だからと言って、勝手に判断し墓じまいしてしまうと、家族や親族からクレームになってしまいます。できる限り家族間、親族間でしっかり話し合ってから墓じまいを進めるようにしましょう。
■墓じまいをするときの一般的な進み方
先祖代々受け継がれてきたお墓が荒れないため、また万が一、無縁墓にしないために、事前に墓じまいを視野に、みんなが納得のいくお墓のあり方を見つけておくといいでしょう。
具体的な墓じまいの進め方について以下の通りとなります。
|1.家族・親族の同意を得る
はじめに、墓じまいするにあたり事前に墓じまい予定のお墓に関わる全ての親族・家族と話し合い同意を得ましょう。人それぞれお墓に関して価値観も違えば、考え方も異なります。一方が墓じまいしたいからと押し切れば、親族間でトラブルになりかねません。どうして墓じまいしたいのか、自身の考えや現在の状況など加味してしっかりと時間をかけて話し合いましょう。また、話し合いをするのと同時に、墓じまいしたいお墓に何体のご遺骨が入っているのかなども確認し、それぞれ墓じまいした後の供養の仕方なども相談するといいでしょう。このとき口頭のみで決定するのではなく、しっかり覚書などをつくりのちに起こりうるトラブル回避も必要です。
|2.同意を得たら、お墓を管理している“管理者”へ連絡をする
親族・家族間で墓じまいに誰も反対者がいなかった場合、墓じまいへと手続きを踏んでいきます。まずはお墓のある霊園や寺院の管理者に墓じまいをしたい意向を伝え、『埋葬証明書』を発行してもらいます。お墓が寺院などにある場合、長年檀家としてお世話になったのですから丁寧に事情を説明しましょう。また檀家を辞める際、『離壇料』を請求されることもあり、墓じまいへの説明不足から高額請求された!なんてことにもなりかねないので、その辺りも注意が必要です。もし話しがまとまらずに困ったら、迷わず弁護士など専門家に相談することも視野に入れておいた方がいいです。
|3.墓じまいした後のご遺骨の供養方法を決める
一番はじめに家族・親族との話し合いの際、現在のお墓に入っているご遺骨の体数を確認したことを前提にそれぞれのご遺骨の墓じまい後の供養の方法を決めます。ご遺骨は法律上、廃棄などは違法となり必ず次の供養先を探す必要があります。納骨堂や樹木葬といった永代供養をしてくれる先への改葬や、海や山など自然へ散骨、手元で供養するなど方法はさまざまあります。改葬するときには、墓じまいの手続きと合わせて改葬先を探し、改葬先の管理者に『受入証明書』を発行してもらいましょう。通常『受入証明書』の発行には手数料などはかかりません。
|4.墓じまいをしてもらう業者の選別
墓じまいは、墓石を解体・撤去、そして墓地を更地にして返還する必要があります。費用を浮かせたいと墓石の解体や更地をしたことのない個人が行えば、事故になりかねないためここではきちんとお墓のプロ『石材店』にお願いし墓じまいの作業をしてもらうようにしましょう。『お墓』にまつわるすべてをトータルで請け負う専門業者もいますが、お墓のある地域の石材店にお願いすれば依頼から作業までを滞りなくスムーズに進めてくれます。このとき、複数の石材店などから見積もりをお願いし、墓じまい予算とどういった内容で墓じまいを手伝ってくれるのか比較・検討してください。また霊園や寺院、お墓のある場所へのルートや道幅、作業スペース、セキュリティなどさまざまな関係で依頼できる石材店や業者が決まっていることもありますので、事前にお墓のある霊園・寺院などの管理者に確認をとっておきます。
|5.お墓のある自治体にて改葬許可証を発行する
業者の選定が終わったら、いよいよ墓じまいするためお墓がある市区町村に『改葬許可申請書』を提出して、『改葬許可証』を受け取ります。このとき現在のお墓の管理者から発行された「埋葬証明書」と、改葬先で発行された「受入証明書」も忘れず提出します。ちなみにこの『改葬許可申請書』は自治体の窓口およびウェブサイトから手に入れることができます。また、散骨や手元供養の場合、この手続きは不要です。しかし場合によっては改葬許可申請書の提出を求められることもあり、その時は申請書の改葬理由に『散骨するため』『自宅で供養するため』といった理由を記入するといいでしょう。
申請書には、改葬する故人の本籍地・住所・氏名・性別・死亡年月日、火葬や埋葬の場所とその年月日、改葬理由、改葬先、申請者の個人情報と故人との関係などを記入します。これらの情報は記入までに各所から集めておくと申請がスムーズに進められます。
|6.いよいよご遺骨をお墓から取り出す
自治体から『改葬許可証』が発行されたら、まずはお墓に埋葬されているご遺骨を取り出します。『改葬許可証』がまだ手元にない状態で、勝手にご遺骨を取り出すのは法律上、違法となりますので必ず証明書が発行されてから、ご遺骨を取り出すようにしましょう。またお墓のある霊園・寺院によってお墓自体に魂が宿るという考えがあるので、必ずお坊さんに魂を抜く『閉眼供養』を行なってもらいます。
|7.お墓が建っていた墓地を更地に戻し管理者へ返還する
ご遺骨の取り出しができたら、墓石や外柵といった“お墓”全体を解体し撤去します。ご遺骨が安置されていたカロートや、墓石を建てる前に築いた基礎工事の部分までしっかり撤去し、お墓のあった区画を土で整地したら、管理者へ土地を返還し、いったん墓じまいは完了します。
その後、改葬の場合は改葬先へお墓の移築工事を行い、新たな墓石でお墓を建てるのであれば、別途お坊さんに依頼し『開眼供養』(魂入れ)を行う必要があります。
■墓じまいに必要となる費用は?
ここまで墓じまいに必要な手続きや進め方をご説明しましたが、実際墓じまいするときどのくらい費用が必要になるのかご存知ですか?
|各種書類の交付日費用
墓じまいには『埋葬証明書』『改葬許可申請書』『受入証明書』といった書類が必要不可欠です。自治体により数百円から千円程度、手数料がかかります。
|お墓の解体・撤去工事費
現状のお墓を解体し、撤去する工事は平均で1平方メートルあたり10万円ほどかかる相場です。墓石の撤去には重機が必要となるため、その重機が使用できないとなるとより多くの人手が必要となりその分費用が高くなっていきます。また、墓地の広さや墓石の大きさ、ご遺骨の数、作業に必要な日数なども加味した金額が必要です。
|ご遺骨のメンテナンス費
長いことお墓に入っていたご遺骨は傷んだ状態です。新たに改葬す供養する前にご遺骨をきれいに洗浄したり、散骨などの場合、粉骨状態にする作業が必要です。実は洗浄は自身でもできますが、万が一のことが起きるかもしれません。自分で洗浄して後悔するのであれば、きちんと業者に任せましょう。
平均して専門業者に依頼すると1体2万円程度が相場です。散骨のため粉の状態(粉骨)にする場合は1万円程度が相場です。
|お布施などの費用
墓じまいするときに行う『閉眼供養』、新たな改葬先での『開眼供養』でお坊さんへ供養費用をお支払いします。一般的な法要と同額程度2万円〜5万円が相場となりますが、これにははっきりとした決まった金額はありません。地域などによっても異なるので、お墓がある地区の知り合いなどに相談しましょう。
もし知り合いがいない場合には、お墓がある地域の石材店などに相談するのもアリです。なるべくお坊さんに失礼のない気持ちをきちんと包むようにします。
|離壇料
檀家であった場合、離壇料を寺院や墓地へお支払いすることがあります。何年、何十年とお付き合いしてきたのですから、檀家の最後の勤めとして気持ちよく離壇料をお支払いしましょう。相場では約3万円〜20万円程度となります。しかし、この離壇料は法律的に必ずしも支払わなければならないといったルールがあるわけではありません。あくまで長年お世話になった方へお礼の気持ちとしてお渡しするものです。心ばかりの気持ちを包むようにしましょう。
それでも寺院や墓地によって離壇するのであればこれだけかかると高額請求をしてくる場合もあります。そうなったら一人で悩まず必ず専門家、弁護士といった有識者に相談するようにしましょう。
|改葬にかかる費用
改葬する一般墓、納骨堂、樹木葬など納骨方法によって費用が大幅に異なります。新たにお墓を建てる場合には通常のお墓同様、墓石代や土地代、工事費といった費用がかかります。またこのときお坊さんに『開眼供養』(魂入れ)をお願いする必要があり、平均3万円〜10万円ほどお支払いします。
また、複数のご遺骨をまとめて一緒に埋葬する『合祀』では大体10万円ほど必要で、何年か納骨堂などに安置後『合祀』する場合は平均30万円〜50万円、ご遺骨1体あたりに必要となります。そのほか、樹木葬の『合祀』の場合に平均5万円〜30万円、個別に樹木葬をする場合40万円〜100万円と大きく差があります。海洋などへの散骨では平均2万円〜50万円ほど費用がかかり、船を貸し切ったりすると30万円〜50万円程度必要です。さらに業者に委託し代理で散骨してもらう場合、平均2万円〜6万円必要です。
新たに供養する方法によって費用が大きく異なりますので、自分自身が、家族が、親族が、みんなが納得する方法でご先祖様や故人を供養しましょう。
■まとめ
墓じまいしてしまうと、心の拠り所になっていた場所が一つ無くなってしまった感覚になるかもしれません。しかし新たな気持ちで、きちんとご先祖様・故人を供養することができたとプラスと捉えることもできます。どうしても現在のライフスタイルや小さな子どもを優先するとお墓のことが後回しになりがちです。
一人で抱え込まずお墓のことで悩んだら、まずは一度お墓のプロである石材店へ相談してみるのもいいでしょう。あなたに状況にあったアドバイスが返ってくるはずです。
まずは気軽にオンラインでお問い合わせだけでも、してみてはいかがでしょうか。
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