お役立ちコラム
1.202025
墓守に無断で改葬・墓じまいするのは問題ない?お墓の管理者と連絡が取れない時の対処法とは
2025年も幕が開け新年の抱負や近況報告など、ご先祖様や故人に報告がてらお墓参りへ行かれる方も多いのではないでしょうか。
お墓参りへ行くことで、ご先祖様や故人へこれまでの感謝を伝えるとともに、自身のこれからの未来への決意など再確認し心を整えるという意味で大切な時間にもなります。故人を偲びながら、家族や親族などと語り合うことで、一族の歴史や故人との思い出を共有できる貴重な機会だと言えます。
しかしここで問題なのが、必ずしも家族や親族全員が集まることができないという点です。法事であればなんとか都合をつけて家族や親族が集まることができるかもしれませんが、個々の家庭の事情や現在住んでいるところが遠かったりなど理由はさまざまあり、都合を合わせて一緒にお墓参りへ!というのは難しいのが現状です。
もしそれが墓守(祭祀継承者)をしている親類であったらどうでしょう。任せたはずのお墓のことで急ぎ確認したいことがあるのに連絡がつかない!といった事態に陥らないとは限りません。
■そもそも墓守(祭祀継承者)は何をするの?
墓守とは、家や家系のお墓を管理し、ご先祖様や故人を敬う役割を担う人のことで、祭祀継承者とも言います。その主な役割として、お葬式や法事などを行い、お墓の清掃や草取り、定期点検、仏具や花の手配といったお墓をお世話する権利を持っています。また、墓地の管理費や行政、管理団体との調整を行うのも墓守の仕事です。
さらに、年中の行事や法要の際にはお墓を整え、親族を迎える準備なども行います。そのほかにも、一族家系の歴史やお墓に眠るご先祖様や故人の功績や思い出などを次世代に伝えることも重要な役割があります。
そもそも墓守(祭祀継承者)が必要な理由には、お墓が家族の歴史や絆を象徴する存在であり、現代では核家族化やライフスタイルの変化により、伝統的な行事や先祖供養が疎かになりやすいからです。そのため墓守は、故人を偲ぶ文化や感謝の心を未来へつなぐ架け橋として重要な存在となります。
■墓守(祭祀継承者)はどのように決めるもの?
墓守(祭祀継承者)は、家族や親族の間で相談し、故人や一族家系の伝統、各家庭の事情を踏まえて話し合いで決めることがほとんどです。一般的には、家を継ぐ長男や長女が多かったものの、現在では事情が多様に構成され、柔軟に決めるケースが増えています。
また、墓守(祭祀継承者)になる人は法律上、親族や血縁者である必要もなく、墓守(祭祀継承者)は誰でもなることができます。信頼のおける人であれば、知人や友人といった故人を知る人が墓守(祭祀継承者)になることも可能です。ただし、お墓がある霊園や寺院などによっては「墓守は、○親等以内」と定め、承継できる人を限っていることもあるので、事前に調べておく必要があります。
■困ったことに、お墓のことを任せた墓守(祭祀継承者)と連絡が取れない!?
毎年、春秋のお彼岸やお盆などご先祖様や故人を偲ぶ機会はあれど、どうしてもタイミングよくお墓参りへ行けないという方も多く、徐々にお墓から疎遠になってしまうこともあると思います。そうなると墓守をする親族とも連絡を取らないこともあり、いざお墓のことで連絡をしたら音信不通になっていた!! といったことも・・・。
連絡が取れない!となると現状、お墓がどうなっているのか?不安はつきません。ただ住まいが遠ければすぐにお墓を確認しに行くこともできず、お墓を管理する霊園や寺院などに連絡することくらいしか手立てがなくなります。
〜実際、墓守と連絡が取れないと困ることとは?〜
1.現在のお墓の状況が不明
2.管理費やお布施といった金銭的問題
3.お墓の移動や墓じまいといったお墓の管理が滞る
1.現在のお墓の状況が不明
すぐに確認しに行ければ大きな問題にならないかもしれませんが、それも難しいとなると現状、お墓がどうなっているのか不安です。墓守をする人と連絡が取れなくなったのがつい最近であればまだしも、何年もの間、音信不通だったら問題です。主に屋外にあるからこそ自然災害や経年劣化で墓石や外柵がずれたり、最悪、倒壊寸前といったことになっているかもしれません。そうなると安全上すぐに修理する必要が出てきます。
2.管理費やお布施といった金銭的問題
お墓の管理費など霊園や寺院などから督促が墓守でない自分のところに来たりすることがあります。それもお墓のある霊園や寺院が連絡が取れる人から順に連絡しているだけで、連絡が取れないまま誰も管理費を支払わないと、場合によってはお墓(墓石)が解体(撤去)され、ご遺骨が無縁仏になってしまう恐れがあります。
基本的に、管理費を3年以上滞納するとお墓を管理する霊園や寺院がお墓に収められている故人の名前で官報に滞納の旨を掲載、もしくは墓地内に立て札で公告し、1年以内にお墓の利用者の家族ないしは親族などが支払わなければ、墓没法に則り墓石を撤去することができます。
またお墓の管理費は民事債権にあたるので、10年間は支払いの義務が発生してしまいます。たとえお墓が撤去されても、お墓を管理する霊園や寺院の管理者から請求されたら、10年分の管理費を支払わなければなりません。
3.お墓の移動や墓じまいといったお墓の今後が滞る
お墓を移動させる(改葬)、または墓じまいをするといったお墓の今後について、お墓のことを墓守に一任しているからこそ、無断で行うことはできません。しかし実のところ墓守(祭祀継承者)の許可なくお墓を移動させる(改葬)もしくは墓じまいすることは可能です。
■なぜ墓守の許可なく改葬・墓じまいすることができるのか
法律上、墓守(祭祀継承者)は1人しか受け継ぐことができません。しかし実質的にお墓を管理する役目は、複数人の家族や一族家系で行うことができます。あくまで書類上、お墓の管理者をし「系譜、祭具及び墳墓の所有権」を承継する人を墓守(祭祀継承者)としています。しかしお墓を管理しているからといって、墓守の許可なくお墓を改葬もしくは墓じまいしてしまうのは本当に問題ないのでしょうか。
実は墓守の許可がなくともきちんとした手順に則り改葬・墓じまいをすれば法的な問題は全くありません。それがたとえ墓守が預かり知らぬところであってもです。しかし道義的な観点からも墓守や家族・親族一同としっかり話し合いその上で改葬や墓じまいをしないと、後々の関係性に悪影響を及ぼしかねません。
■まとめ
墓守と連絡が取れなくなるなんて、想像してもいなかったことが起きないとも限りません。実際にそうなった場合、家族や親戚とよく話し合い今後お墓をどうしていくか決めましょう。その上で、専門家に相談するなども検討してみるといいと意外な解決策が出てくるかもしれません。
まずはお墓のあれこれで悩んだら1人で抱え込まず、一度お墓のプロである石材店へ相談してみるのもいいでしょう。あなたの状況にあったアドバイスが返ってくるはずです。
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